極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
「何着る? トレーナーでいい?」
ドキドキしながら。
隼理くんにそう訊いた。
「いいよ、夕鶴が着せてくれるなら何でも」
隼理くんの返答を聞いた私は引き出しの方へ。
そこからトレーナーを出し。
隼理くんのところへ。
隼理くんはいつの間にかソファーに座っていた。
隼理くんがそうしているのは。
たぶん。
立ったままだと身長差で私が隼理くんに着せにくいだろうと思って気遣ってくれたのだと思う。
ソファーに座っている隼理くんの目の前に立った瞬間。
隼理くんは両手を上げた。
そうしている隼理くんに。
そっとトレーナーを着せる。
そのときに。
ちらちらと見える隼理くんの肉体美。
恥ずかしいから。
できるだけ見ないようにするのだけど。
やっぱり。
目に入ってしまう。
鍛えられた胸板とキュッと引き締まった腹筋。
洗いたてで無造作になっている髪の毛。
それらが全て色気を放っている。
ある意味。
耐えることができない光景。
それらが目に入ってくることによって。
胸の鼓動は高鳴る一方。
ドキドキし過ぎて気を失いそう。
そんな思いをしながら。
やっとのことで隼理くんにトレーナーを着せることができた。
その後も。
まだドキドキが。
「ありがとう、夕鶴」
隼理くんはそう言って。
私のことを引き寄せ。
ぎゅっと抱きしめた。
ドキドキしているところに。
ぎゅっと抱きしめられたから。
私の胸の鼓動は。
忙し過ぎてどうにかなってしまいそう。
「……しゅっ……隼理くんっ、ご飯食べよっ」
どうにかなってしまいそうになりながらも。
なんとか声を出した。
「そうだな、腹減ったし。
夕鶴が作ってくれたご飯を食べることができるなんて幸せだな」
隼理くんはそう言って。
抱きしめている私からやさしく離れた。
……やっと。
隼理くんと、ご飯を食べることができる……。