極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です



 あれから約半年―――。



 この半年。
 長かったような短かったような。


 今こうして思い出しただけでも恥ずかしくなってしまう。

 それだからか。
 顔がだんだんと熱くなってきた。

 顔、真っ赤になっているかも。



「この辺りでいいか」


 ……‼


 隼理くんに声をかけられて。
 相当、自分の世界に入り込んでいたことに気付く。



 隼理くんが送ってくれた場所。

 そこは。
 学校から少し離れた裏道。
 側には小さな公園がある。

 その裏道は通学路ではないため。
 生徒たちが通ることもほとんどない。

 ただ今日は土曜日で学校も休みなので、もともと生徒たちが通ることもないのだけど。

 私のように部活がある生徒は学校に来ている。

 なので一応は用心している。



 さて、車から降りなければ。


「送ってくれてありがとう、隼理くん」


 そう言って車のドアに触れた。


「いいよ、そんなこと」


 やさしくそう言ってくれた、隼理くん。


「打ち合わせが終わる頃にメッセージを送るね」


 私は笑顔でそう言った。


「わかった、待ってる」


 そう言った隼理くんに。


「じゃあ、行ってくるね」


 車のドアを開け。
 隼理くんに手を振り。
 車から降りた。


 そして学校に行き。
 ライブの打ち合わせをした。

 打ち合わせが終わって。
 隼理くんが迎えに来てくれた。

 そのまま隼理くんが住んでいるマンションの部屋に戻り、もう一泊して。


 こうして土日が過ぎていった―――。


< 51 / 147 >

この作品をシェア

pagetop