極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
美輝さん……。
美輝さんは隼理くんにとって。
どういう存在なのだろう。
そんなこと、ちっとも考えたくないのに。
それでも。
悲しいくらいに考えてしまう。
美輝さんは……。
隼理くんの元カノ……なのだろうか。
それとも。
元カノだったけれど、よりを戻した……?
それか、もしかして。
私と恋人同士になってから新しくできた恋人?
……って……。
こんなことを考えてしまう自分。
本当はすごく嫌。
嫌で嫌でたまらない。
……でも。
それでも。
やっぱり考えてしまう。
辛くなるのに。
悲しくなるのに。
それなのに……。
あの日から。
六日前に。
隼理くんのスマホの画面に表示されていた美輝さんの名前を見てしまったときから。
考えてしまう。
隼理くんに関することは。
どうしても。
マイナスな方向に……。
……嫌だな。
こんなこと……。
こんな私……。
…………。
何も言えない。
ああいうふうに。
私以外の女子生徒が。
隼理くんに接近して話をしていても。
『隼理くんに近づき過ぎて親し気に話なんかしないで‼』
……なんて。
私と隼理くんが恋人同士ということは。
もちろん学校内の教師たちや生徒たちには内緒。
というか。
家族にも内緒にしているけれど。
教師と生徒が恋人同士だということが学校中に知れ渡ってしまったら。
確実に即問題扱いにされてしまう。
だから。
女子生徒や女性教師が隼理くんに近づき過ぎて親し気に話をしていても。
私は何も言うことができず、ただただ我慢をするしかない。
そのことが。
辛くて悲しくて苦しくても……。
…………。
……なんか……。
疲れた……。
こんなことばかりが。
頭の中をグルグルしていることが……。
……とりあえず。
離れよう。
この場から。
そう思った私は。
隼理くんと女子生徒の姿が見えるところとは正反対の方を向いて歩き出した。
歩き出したけれど……。
今見てしまった光景。
それが頭の中から離れてくれなくて。
だんだんと、ぼーっとしてきた。
そのせいか。
足元はふらふらして―――。
って。
えっ⁉
……⁉