極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
「きゃっ……‼」
⁉ ⁉ ⁉
「…………」
一瞬。
「……痛……っ」
何が起こったのか。
わからなかった。
ただ、とにかく右足のくるぶし周りがものすごく痛かった。
「…………」
それがなぜなのか。
すぐに理解できた。
「……足が……」
ぼーっとして。
足元がふらふらしていて。
そのせいで。
階段を踏み外してしまって。
それが原因で。
足を挫いてしまったらしい。
挫いた足は。
少しずつだけれど腫れてきている。
その様子は一目でわかった。
……とりあえず。
保健室に行かなくては。
そう思い。
立ち上がろうと―――。
「……っ‼」
痛い……っ。
足が……っ。
挫いた足が痛すぎて思うように立ち上がることができない。
……どうしよう。
そう思いながら周りを見渡した。
けれど。
周りに先生も生徒も通っていなく、助けを求めることもできない。
それなら。
スマホで部員のメンバーに連絡をして助けに来てもらえば―――。
と、思いたいところだけど。
今日に限って。
スマホを持ってくるのを忘れてしまって。
助けに来てもらうことは不可能。
けれど。
いつまでもここにいるわけにもいかない。
だから、どうにかして立ち上がり、ゆっくりでもいいから移動しなくては。
手摺りや壁につかまりながら。
ゆっくり、ゆっくりと。
そう思っているのに。
身体が。
なかなか思うように動くことができない。
立ち上がろうとすると。
右足のくるぶし周りに。
激しい痛みが走る。
どうしよう。
このままでは保健室に行って湿布を貼ることができない。