極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
「絶対的エースって、そんなことは……」
絶対的エースだなんて。
とんでもない。
そう思ったから。
本当のことを言ったのだけど。
「そんなことないことはないよ。
神城さんはとても人気だし、絶対に絶対的エースだよ」
そう言ってくれた、芦達先生。
自分では『絶対的エース』だなんて全く思っていないけれど。
芦達先生がここまで言ってくれているので。
「そんなことないですけど、ありがとうございます」
素直にお礼を言った。
「そんなこといいよ。本当のことを言っただけだから。
ところでどうしたの? どこかを痛めたの?」
心配そうにそう言ってくれた、芦達先生。
「ちょっと足を挫いてしまったみたいです」
「それは痛いね。
どう? 立ち上がれそう?」
冷静に。
そして。
やさしく。
声をかけてくれる、芦達先生。
芦達先生の話し方が。
痛みと焦りと不安で混乱しそうになっていた私の気持ちを落ち着かせてくれる。
落ち着きを取り戻したところで。
もう一度、立ち上がることができそうか試してみた。
けれど。
「……ちょっと……無理みたいです」
立ち上がることは無理そう。
とはいえ。
立ち上がらないことにはどうにもならない。
でも、思うように足は動いてくれない。
自分の思いと身体が一致しない。
落ち着きを取り戻していたのに。
再び焦りを感じ始めていた。
少しでも早く立ち上がらなければ。
芦達先生を困らせてしまう。
でも立ち上がることができない。
どうしよう。
このままでは芦達先生に迷惑をかけてしまう。
頭の中ではわかっていても。
悲しいことに足は動いてくれない。
一体どうすれば……。
「神城さん、ちょっとごめんね」
え……。
って。
……っっっ⁉
えっ⁉ えっ⁉ えぇっ⁉