極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です



「……はい」


 ……‼

『はい』って……⁉

 しゅっ……隼理くんっ⁉

 えっ⁉
 えっ‼ えぇっ‼

 ちょっ……ちょっと待って……‼

 こっ……こんなときに隼理くんと二人きりっ⁉

 そっ……そんな……っ。

 あっ……芦達先生っ。
 とても機転が利いているとは思うのですが……っ。
 今は……今は私、隼理くんと二人きりになるのは……っ。


「ありがとうございます、飛鷹先生。
 あとは、よろしくお願いします」


「わかりました」


「神城さん、中途半端になっちゃったけど、ごめんね。
 あと、お大事に」


 あっ……芦達先生~っっ。
 わっ……私をおいていかないで~っ。


 そっ……それに……っ。
 芦達先生の言葉の続きを聞いていないっ。

 あの言葉の続きを……。

『神城さんの彼氏って……』

 あの言葉の続き。
 とても気になる。

 あの言い方は。
 私の彼氏は誰かということを言おうとしているように聞こえた。

 芦達先生は誰の名前を言おうとしていたのだろう。

 名前を言おうとしていたのなら。
 芦達先生が知っている人ということになる。

 例えば。
 私の彼氏が幼なじみ、もしくは小学校や中学校の同級生だとしたら。
 芦達先生はその人たちの名前は知らない。

 だから。
 私が関わっている人で芦達先生が知っている人。
 それは、この学校にいる人。
 つまり教師……ということになる。
 そうなると人数はかなり絞られてくる。

 そうなると。
 芦達先生が言おうとしていた私の彼氏の名前は―――。

< 77 / 147 >

この作品をシェア

pagetop