元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している
「だって、西原の言動ひとつヤンキーだからか目立つでしょ。でも、千花のことを考えてる西原は今まで見たことがないから気になってみてるんじゃない?他の女子も」

咲はカバンから次の授業で使う教科書を取り出して、机に置いた。

そう、ヤンキーだから目立つ。
だけど、怖い存在の西原が笑顔を見せたりするのは、あまり関わりがなかった私でも驚いてしまうだろう。

だから、みんなそう思うのは仕方ない。

「……まあ、確かにそうだね。前より他の女子も西原がいると見ている気がするかも」

私は素直に返事をして、咲に答える。

そうだよ。
女子達は、西原を見る目は、前は怖がっていたのにキラキラ目をして西原を見ていた。

「だから、他の女子にもモテ始めてる。千花は何も感じない?」

咲は教科書をトンっと揃えて、ニッと笑って私に聞く。

咲に言われて私は考えた。
特に何も感じなくないけど、胸の中は少しチクッとした。

「……少しもやっとはするかな」

私はうーんと首を傾げてから、咲に言う。
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