元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している
すると、朝早いのに、西原がいた。

「どうだった?」

自分の机付近にいた私はドアの方から声がすると思い、振り返ると西原がドアに寄りかかりながら、立っていた。

私は苦笑いを浮かべて、西原を見る。

「……なんでこんなことするの?」

私は自分の机の近くに立って、真顔で西原に聞く。

西原が私に好意があるのは分かっているが、そこまでするのは、なんでと思う。

「好きだから、千花が」

私が疑問に思ったことを覆して、西原はいつになく真剣に私に言う。

真剣に言う西原は、今までと少し違う。
顔が笑ったり、ふざけたりする顔とは違く、いつもより真剣な表情で私に見つめてくる。

そんな姿見たら、私はいろんな感情が溢れてくる。

「……そんなんで好きになると思うの?」

顔をグシャと崩して、私は西原に質問した。
本当に。

初恋の人の言葉が頭の中に溢れる。

きちんと気持ちを伝える。

伝える?何を。

私が欲しかったものが手に入れられても
心の中がざわめく。

「それは千花次第だけど。俺は千花を想ってる。何が嫌で何が好きかわかってたいから」
< 104 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop