元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している
「……わかんない」
私は自分の机を見つめて、西原に呟く。
「何が」
西原は私の真正面に来て、首を傾げていた。
スラっとした細身で、肌が白く、整えられた顔は私の近くに来て言う。
ヤンキーなのに、スタイルがいい。
真正面に来た西原を私は見る。
「西原の気持ちは嬉しいけど。自分自身西原の気持ちにどう答えたらいいか」
私はいつも無愛想だが、ありのままの自分で接した。
ツレデレ装備は備え付けず、普通の装備で西原と向き合う。
そうしないと西原に失礼じゃないかと思った。
ツンデレ装備は一旦置いて行こう。
「俺のこと考えてくれるだけで嬉しい。いいよ、別に。何年かかっても千花に好きになってもらうから。じゃあ、俺という人間を知って」
西原は私の身長に合わせるかのように屈んで
、私の目をジッと見て言って、頭にポンと手を置いた。
頭に手を置くのは、西原の癖なんだろうか。
子どもみたいに。
だけど、嫌じゃない。
西原にされるのは。
「…うん」
私は西原と目を合わせて、下に俯きながら返事をする。
素直になる私も珍しいが、こんな時しか素直になれない自分は嫌いだ。
だけど、仕方ない。これが自分だから。
そう思いながら、私は西原を見る。
「素直な千花も可愛いなあ」
私はそんなことを考えていると、ニッと笑った西原は私を見てくる。
西原は予想だにしない笑顔で私に言い、私はドギマギしていた。
「なっ、別にたまたまだから」
私は目を逸らして西原の手が私の頭にあったのをパッとはらい、西原にムッとした表情で腕を組んで私は言う。