元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している
「本気だよ。付き合ってから分かることもあるだろう」

西原凌は咲が言ったことなんて気にせず、思ってることを口にする。

下駄箱の近くにある教室から、ドアをガラガラと開けて、男女四人が出てきた。

私のところからチラリと見えるくらいだったが、別の方向に行ってと願いながら見ると私の願いは叶い、反対方向にどこかへ行った。

誰にも見られたくない訳ではないが、なんとなく嫌だった。 

「うちの千花に何すんのよ」

私はそこに視線を逸らしていたので、咲が私をギュッと肩を抱きしめてきて、私は肩をビクッとさせた。

咲は西原凌に言う。

咲は私の肩を抱きしめてから、私の隣にいた。

「千花さん。俺と付き合って下さい」

西原凌は真顔で私をじっーと見て、私に告白をしてきた。
西原凌の睨み目はいつものことだが、
一点に私だけを見ていて、胸が高まりそうになった。

「ごめんなさい。まだあなたのこと知らないし、今はなんか恋愛は興味ないので」

私は西原凌にキッパリ断った。
だって、興味がないし、初対面の人にいきなり言われても。

「…そうか。なら、俺が教えてやるよ」

西原凌は私の顔に近づき、私の目を見つめて自信たっぷりに言う。

「いや、別にそういうのは」

西原凌が近づいてくると、私は自分の胸に両手を揃えて、一歩引いた。

「いいから。だったら、俺が好きだって言わせるわ。覚悟しておけよ」

西原凌はまた私の顔をさっきより近づき、キスができそうな近さで私に話す。

「だから、興味ないって」

目を逸らして西原凌を見ると、私から離れて右手を上げていた。

「じゃあ、そういうことだから」

告白しておいて言いたいことを言ったら、西原凌は去っていた。
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