元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している


「はい、承ります」

店員を呼ぶと、すぐ来て私たちに対応する。

私たちは向かい合いながら、メニュー表を持ち、私が店員と対応した。

「パンケーキ2つお願いします」

私はパンケーキ2つとお願いすると、店員はメモを書いてから繰り返し私たちに聞いてきた。

西原はまばたきもせずに、店員と私の会話を聞きながら見ていた。

「はい、繰り返します。パンケーキお二つですね。かしこまりました。少々お待ち下さい」

店員は注文品が決まったら、業務事項を言い、礼をして去っていた。

「やっぱり、千花はいいね」

西原は頬杖をついて、にんやりと目を細めてみていた。

なにがいいねだよ、具体的に述べて。
と私は黒ツンデレを胸の中に隠しながら、西原に言う。

「西原が注文したかったやつだった?さっきみたいに女が決めるのは嫌だと思うでしょ」

私は少し心配になった。
西原がいつも優しくて私の話を聞いてくれるもんだから甘えていた。

西原だって、嫌なこと一つ二つはあるだろう。
そう思って、西原を見ると、微笑んでいた。

「全然大丈夫。別に気にしないし、好きな人に言ってもらうのは嬉しいよ」

西原は笑って、私を見る。
なんでそんな嬉しそうにするの。

西原以外の男子だったら、どうだったのかな。普通は、怪訝そうにすると思う。

男子は、プライドが高い生き物だから。
男を知らないが、それくらいの知識はある。

「……あ、そう」

私は口の中を膨らませて、返事をした。
器が大きい男子は、いい男とどこかで聞いた。

西原はヤンキーだが、顔は整っているし、肌も白いし、怖いと思っていたが、面白いし、あとは…

私なに考えてんの。
西原のいい所しか浮かんでこないじゃん。
悪いところも人間だから、ひとつあるが。

だけど、悪いところを見ても、嫌いにはなれない。

「照れてる!千花」

あははと西原は笑って、私を指差して言う。
私は顔を手にあてて、西原を見る。

「照れてないから!!」

私は顔を手にあてた後、西原から目を逸らして、反論する。
< 114 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop