元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している
こんなの言われたの初めてじゃないのに。
なんで、胸がドキドキするの。
「あらあら。そういうことね。凌、過去のこと忘れたわけじゃないからね。覚えておきなさいよ。私はこれで」
百合香はチラッと私を見てから西原にそう言って、すぐ姿を消した。
西原は百合香の言葉に目を一点見つめて、呆然としていた。
私は西原と呼んだが、全く持って反応がない。
大きい声でもう一回西原を呼ぶ。
「西原!」
「おっおー、ごめんごめん。なんだっけ?」
西原は肩をビクッとさせて、やっと私をみて言った。
「変だよ。百合香っていう子に会ってから」
私は眉を下げ、心配そうに西原に率直な意見を述べた。
「だな!ゴメン。ゴメン。百合香も何しにきたんだろうな」
西原は笑いながら、私に言ってきた。
笑っている西原だが、無理な作り笑いにしか私には見えない。
「西原がいたから、パンケーキ屋まで入ってきたんでしょ」
私は冷静な判断で西原に言う。
「え?あ、そっか。ここガラス越しで見えるからな」
西原は窓を見て、私に言う。
私たちが座っているところは、窓際には歩道があって、歩いてる人はパンケーキ屋の中が見える。