元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している
「あはは」
私は笑って、抑え込む涙を引っ込めた。
こんなので、泣いたら好きだって認めているようなもの。
認めたくない。こんな感情。
「広瀬」
「千佳殿」
根岸くんとフアンクラブ共の一人が私の名前を呼んでこう言う。
「認めたら?好きだって」
「僕は千佳殿が幸せになることを願っている。どんな人でも」
根岸くんは首を傾げて、私に聞く。
フアンクラブ共の一人は、泣きながら私のことを祈っていた。
私はみんなの言葉を頭の中で蘇る。
西原の一つひとつの言動が、優しさが染み渡る。
そして、過去のことも。
あんな思いをしていたとは。
「千花。認めざるおえないじゃない?」
咲は頬杖をついて、下に俯いていて立っていた私の顔を下から見て聞いてきた。