元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している
「あ、帰ったよ。なんかみんな急に。ファンクラブ共の一人は、広瀬の調べ物あるからって。咲は、親戚が来るからって」
根岸くんは私のとこまで歩み寄ってきた。
「咲はともかく、ファンクラブ共の一人、私の調べモノってなによ」
私は頬杖をついて、ファンクラブ共の一人の言動を思い出して、冷たい声で言う。
「分からないけど、あるらしい」
根岸くんは苦笑いを浮かべて、私に言う。
「変なことじゃなければいいけど。あ、根岸くんは帰らなくていいの?」
私は根岸くんに聞く。
もう夕方になっており、人もまばらで
私の教室には誰もいない。
「別に大丈夫だし。広瀬いるなら俺はいる」
根岸くんは立ったまま、私に目を窓際に向けて言う。
「…ありがとう。私なら大丈夫だよ」
私は口元を微笑んで、根岸くんに言う。
本当は大丈夫なんかじゃない。
自分でも分からない程、心がざわついている。
根岸くんは私の気持ちに配慮して、私に伝えてくれる。
多分、根岸くんは私の気持ち分かってる。