元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している
「普通じゃダメよ。今までと変わらないじゃない」
母は私のことなのに、なぜそこまで考えようとする。
私は呆れた顔で、母を見る。
「いやいや、普通通りでいんだって」
私は両手を左右に振って、母に言う。
だけど、母は私に真剣な目で伝える。
「好きだって言ってくれるの。感謝しないとダメよ。大学なって、社会人になっても現れない人だっている。千花はそんな人ほっといていいの?」
母は私を見てから、丸くしたハンバーグをフライパンに置いた。
油をひいたので、ジュージューと音がして、そのまま茶色くなるまで焼く。
その作業を見ていた私は、黙ってみて何も声を発さなかった。
「…千花。あなたは、その人とどうしたい?」
母はフライパンでハンバーグを焼く音が聞こえながら、黙っている私に聞く。
「分かんない。ただ思い出すのは、西原なんだ」
私はポツリと呟いた。
すると、母は私に言う。
「だったら、ちゃんと考えてあげな。西原っていう男の子もかわいそうだから」