元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している
「なら、咲さんも一緒でいいよ。俺は千花といればなんでもいいから」

西原凌は嬉しそうに返事をしていた。
私はその姿を見て、なんで私を好きになったのかと聞きたくなった。

綺麗に散りゆく緑の葉っぱが西原凌の背後で降っている。

その姿をじっと見ていたくなるくらい、綺麗だった。

「……見た目ヤンキーなのに、優しいね」

私は自分が思っていることを胸にしまい、クスッと口元に手を置いて笑い、素直に返答する。

「よく言われるよ。でも、好きな人にはもっと優しいから。覚えておいて」

恥ずかしさなんて彼にはないのだろうか。
正直に言う彼に戸惑いを感じた。
私は目をキョロキョロさせて、西原凌を見れなくなった。

「……」

私は黙っていると、西原凌は私が持っていたハンドルを手で重ねてきた。

「あ、俺が押すよ。千花は歩いて俺の横にいて」

西原凌は相変わらずの笑顔で、私に微笑む。

「あ、ありがとう」

その手が触れた瞬間、少しドキッとした。

男子はいつも変な奴しかいないし。
子供だし、何考えてるか分からない。

でも、西原凌だけ今までと違うから、どう対応すればいいか迷っていた。
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