元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している
「さあ、どうぞ」
西原凌は嬉しそうに喜び、呼んで呼んでと言わんばかりに私に呼ばれるのを待っていた。
さあと両手で動かして、私を見つめていた。
「……」
私は西原凌の言動を無視して、黙っていると、キーンコーンカーコーンと鐘が鳴った。
もうお昼休みが終わり、授業が始まる時間になった。
西原凌の言うことを無視して、鐘が鳴ったので逃げる道が出来て、安堵している私がいた。
だが、西原凌は鐘が鳴ったとしても、諦めない根性はどこから湧き上がるのだろうか。
「じゃあ」
西原凌は目を輝かせながら、私を見てきた。
「いやいや。それはないでしょ。もう昼休み終わったんだよ。ってか、授業始まるから」
私は今の現状を西原凌に言う。
また、西原凌は私に名前を呼ばれたいのは分かるが、あまりの必死さに私は若干引きながら、拒否をしていた。
しかし、西原凌の呼んでとキラキラ輝く目をジッと見つめられた。
こんなに見られたら、呼ぶしか選択肢しかないじゃん。
呼ばないと、授業が受けられない地獄が待っている。
次の授業、宿題の提出あるんだけど。
私はもう西原凌の名前を呼ぶか呼ばないかなんてどうでもよくなってきた。
「さあ!」
西原凌はそう言って、私を見る。
もう私は西原凌にイライラしていた。
呼ばないと、名前呼ぶ地獄から抜け出せない気がして、私は耐えられなくなった。