元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している
「……西原!じゃあ!」
西原凌に私は怒鳴り声で、西原!と言い、早足で去っていた。
その時の西原凌の顔は見れなかったが、少しだけ目を丸くしていた気がした。
その頃の西原凌は、
千花が名前じゃないけど、名字呼んでくれた。もう呼んでくれないと思ったから。
あの日、初めて会った時もそうだった。
名前すら呼んでもらえなかったし、俺の存在すら知らなかった。
でも、やっと存在すら感じてくれた。
嬉しい。一人でにこやかに微笑んだ。
その為、授業には遅れてしまい、担任に怒られたが、本人はなんとも思っていなかった。
だって、千花に名字だけど名前を呼ばれたから。