元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している
「西原!」
私は西原凌ことヤンキーくんを呼んだ。
私たち以外誰もいなく、私たちの声が響き渡る。
「はあ?」「え?」
咲と根岸くんは私が見ている先を見つめた。
私は真っ直ぐに行くと、西原がいるので
何も考えないで西原に駆け寄る。
「な、なにしてんの」
私は西原の方に行き、普通に話しかけた。
むしろ、今まで話してはいたが、ツンデレなしの装備で挑むのはこれが初。
いや、部活帰りで疲れているから、心底どうでもよくなっている部分もある。
心の中で考えながら、西原と話す。
「決まってんじゃん。千花待ってたんだよ」
西原はニコニコとした表情で校門前に立って、見つめる。
「ストーカー」
私は苦笑いを浮かべた。
そうだったこいつは、私しか見ていない。
だけど、きちんと人は見ている。
私はツンデレ装備を備え付け、西原に冷たい目で言い放つ。
「うわ。酷いわ。本当に待ってたんだけど」
西原は私を見て、笑顔で冗談のように言う。
ヤンキーで怖い存在だけど、どこか憎めない。
「……」
私は無視してスタスタと早歩きをして、西原の横を通り過ぎる。
「ちょっとなんでいんの?」
咲は西原に話しかけていた。