元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している
「…千花に会いたかったから」
西原の背後には夕陽が沈みかかって、明るさと暗さが混在していて、素直に真顔で咲に言っている西原は綺麗に見えた。
「……一途ね、ほんと」
咲は目を逸らして、自分じゃないと分かっていながらも、西原の言動にポツリと呟いた。
咲は呟いた後、ため息をついていた。
「まあね」
西原は舌をべっと出して、また私のところに来た。
「広瀬!こいつもしかして、西原凌ことヤンキーくん?」
キーンコーンカーコーン
一日最終の鐘が鳴った。
18時になった合図だ。
西原が来たら、黙って後ろにいた根岸くんは私の所へ来て、西原凌について私に聞いてくる。
「そうだよ」
私に駆け寄ってきた根岸くんを振り返りながら、答える。
ザワザワと部活を終えた人達がやってきた。
多分、サッカー部だろうか。
ボールを持って遊んでいる男子たちがわんさかいた。
その声を聞きながら、私たちは話を続ける。
「はあ?なんでこんなヤンキーくんがいんの」
根岸くんは西原に怪訝な目で見て、言ってきた。
「千花。この人は?」