元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している
「歌手・伊勢宗介(いせそうすけ)だよね」

思っていない広瀬の反応に目を伺った。

え?知っているの?伊勢宗介を。
インディーズで、みんな知らないと思ったのに。

「…知ってるの?」

僕は疑うように広瀬に聞いた。

「知っているよ。フアンだもん」

広瀬はすごく嬉しそうに僕のとこまで来て、目を輝かせていた。

「僕もフアン」

チラと黒目を動かして、広瀬を見た。

「そうなの!え?そうなの。えー、どのくらいのファンなの?」

広瀬は足をバタバタさせて、笑顔で僕に言う。

そんな姿は、初めて見て、胸がドキっとしたのを覚えている。

あの時のことは鮮明に覚えている。

それ以来、同じ歌手のファンと言うことで
話をするようになった。

広瀬と話すようになってから、わかったのは広瀬の友人・咲と繋がっていたのだ。

咲とは、唯一の中学時代の知り合い。

知り合い程度でたまに話すくらいだったが、広瀬と話すことが増えて、喧嘩するまでになっていた。

広瀬と話し始めたら、男子の友達も増えて、仲良く話をするようになって、日常が前より楽しくなっていた。

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