元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している
「根岸は、いつ千花に告白するの?」

咲はジャケットのポケットから携帯を取り出して、僕に聞いてきた。

「…え?なんで知ってんだ」

僕は目を丸くした。
なんで、知ってるのかを。

「見れば分かるわよ」

咲はチラッと僕を見てから、声を発した。

「…広瀬には黙っていてほしい」

僕は拳を握りしめて、咲を見た。

「分かってるよ。私から告げ口する訳ないじゃん」

咲はため息をついて、僕に言い放つ。

「いや、そう言って、あ、言っちゃったとか言って、言う可能性はなくもないだろ」

僕は目を細めて、咲に疑うように声をかける。

「はあ?そんなことないから。言う訳ないでしょ」

咲は携帯から目を離して、僕を見て大きい声を発した。

「いや、言うね」

僕はにやっとしながら、咲に言う。

「言わない…こんな繰り返してたらキリないわ」

座り直してから咲は僕に頬杖をついて、声を発した。
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