元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している

あっという間に、放課後になった。

「広瀬。行こう」

根岸くんは私の教室に来て、ドア付近にいた。

「あ、うん。咲、さっきに帰るけど、大丈夫?」

私は根岸くんに言ってかは、咲に聞いた。

「大丈夫。いってらっしゃい」

咲は箒を片手に持って、私に言い放った。

「ありがとう」

私は咲に言って、根岸くんと教室を出た。

「…じゃあ、行こうか」

根岸くんは私にそう言うと、私の歩くペースに合わせて、歩き始めた。

私は根岸くんを見て、返事をした。



「咲さん」

俺は、千花と同じクラスの咲さんを呼んだ。

「あ、西原」

咲さんは箒を片手に持ったまま、後ろのドア付近にいた俺に気づいた。

「どうした?」

咲は箒を持ったまま、俺に近づいてきた。

「千花はいる?」

俺は教室の周りを見渡した。
だが、千花はいなかった。

「…根岸とどっか行ったけど」

咲は冷たい声を発して、俺に言う。

「…そうか」

俺はただ返事をして、下を向いた。

「あれ?いつも嫉妬してるのに、どうした?」

咲は首を傾げて、西原に言う。

「…俺はやるべきことをやるだけだ」

俺は表面上そんなこと言っていたが、本当は違う。

ほんとは千花と二人にはさせたくなかったが、強がった。

千花は根岸に誘われて、了承した。
俺が関わる前から仲がいい。

俺が入れない隙間があるのは事実だ。

咲さんにそう言い放ち、俺は教室から出た。

ほんと、俺、余裕ない。

俺は教室から出て、誰にも見えないように右手に拳を握りしめて、自分の教室に戻った。
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