元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している
「でも、千花様。前より笑うことが増えて良かった」
様付けするのは、真正面を向いてみんなに言う。
「だな。一時期、笑わないこともあって、不安だったけど」
殿付けは、うんうんと頷いていた。
「え?そうなの。初耳。けど、今もあまり笑うの少ないけど」
呼び捨ては動画を見るのをやめて、目を丸くして、四人を見渡した。
「ああ。お前は今年に入ったばかりだもんな」
さん付けは、低い声で呼び捨てに言う。
「千花様は、最初の頃は笑わなかったんだ。中学時代の頃から一緒の咲さんもクラスが同じだったけど、クラスに馴染めなかった。俺たちは、千花様らしくなるように話しかけた。そしたら、少し笑ったんだ。このファンクラブを作ったのは、千花様が笑っていけるようにするためなんだ」
様付けするのは、呼び捨てに言っていた。
「…そうなんだ。千花を応援するためだけじゃなくて、笑ってもらえるようにこのファンクラブを作ったのか」
呼び捨ては椅子に座りながら、上下で身体を動かしていた。
「そうだよねぇー、僕もびっくりしたよ。まともな理由に」
ちゃん付けは、えへへと笑って、呼び捨てに同意するように返事をしていた。