元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している
「えへへじゃないよ。だから、ファンクラブは呑気なクラブではない。広瀬千花のために何が出来るかを考えるのだ」
さん付けはメガネをクイっと上げて、ちゃん付けに言っていた。
「なるほどね」
呼び捨ては、ただ返事をしていた。
「だから、千花殿に何があったかを把握するのはファンクラブ共の任務である」
殿付けするのは、さん付けの言ったことを頷いて声を発した。
「…そういえば、気になったことあるんだけど」
ちゃん付けは、ポツリとみんなに呟く。
「なんだ?」
様付けは一旦何かを取りに立ち上がって、ちゃん付けに聞く。
「千花ちゃんは、何を思ってるんだろう。僕らのこと」
ちゃん付けは、棒キャンディを持って、上を見上げてなめていた。
「…それは分からない。だけど、俺らのこと嫌がってるからな。まあ、そこがいいんだけど」
様付けは数秒黙ったあと、答えた。
「…確かに。千花さんはそこも可愛いらしいとこではある」
さん付けは広瀬千花のことを思い出しているのかニヤニヤしながら、答えていた。
「千花は千花らしくいてくれていいけど。心配ではあるな」
呼び捨ては珍しく動画を見ずに、下を向いていた。
「まあな」
殿付けは返事をした時だった。