元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している
「よく分かりましたね。そうです」

西原はファンクラブ五人共に言うように、微笑んでいた。

「じゃあ、なんの用事で?」

ちゃん付けは首を傾げて、西原に聞く。

「…もちろん、広瀬千花のことですよ」

西原はズボンにポケットを入れて、ファンクラブ五人共に返事をした。

「…何を知りたい?西原は、大体のことは千佳殿について知っていると思うのだが…」

殿付けは腕を組んで、西原に聞いてきた。

「…知らないことばかりですよ。咲さんに千花について聞いてはいますけど、中々難しくて」

西原ははあとため息をついて、ファンクラブ五人共に言う。

ファンクラブ五人共は、西原の方など見ずに
自分の好きなことをしていた。

「お前ら、聞いてんのか?」

殿付けはファンクラブ四人共に言うが、無視をしていた。

「なに、一斉に黙り込んで」

西原はポツリと言っていた。

「…千花さんのこと、知りたいってよく言えましたね。私たちだって、情報得るの難しいですよ。だけど、いろんな人に聞いたり、ネット調べたりなど苦労してるんです」

さん付けはメガネをくいっと上げて、西原に言う。

「まあ、そうだよな。楽ではないよな。俺も調べるの苦労したなあ。笑いのツボをおさえるの大変だったなあ」

呼び捨ては思い出したように、上を見上げていた。

「うん。僕も大変だったなあ。千花ちゃんの男性周辺を回り尽くして、千花ちゃんの好きなところを聞きまくったなあ。懐かしい。前よりはインタビューは減ったけど、今は人間観察しまっくてるしね」

ちゃん付けはうんうんと首を上下に振っていた。
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