元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している
「行ってきな」

咲はにこやかに微笑んで、私に言う。
下駄箱には、咲と私以外誰もいなかった。

部活動をしている人の声が響き合っていたり、教室内であははと笑う声が聞こえてくる。

「うん」

そんな日常の音がする中、私は咲に返事をしてから、ヤンキーくんこと西原凌の方に振り返る。

咲は下駄箱の隅っこに行き、私を見守っていた。それだけでも心強い。

「あの、今いいか?」

私は、一歩一歩西原凌に近づいた。
西原凌の真正面に立つと、私に話しかけてきた。

「あ、はい」

私は西原凌と向き合い、返事をした。

「あんたの名前は広瀬千花だよな」

西原凌は、私の名前を聞いてきた。

「はい」

私は西原凌に再度返事をすると、思いがけない言葉が飛ぶ。
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