元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している
「…まだ西原とは出会ったばかりだし、まだ私の気持ち分からないから」

私は隙間から抜け出してから、まだ隙間にいる西原に言う。

西原は悔しそうな顔をして、私をただ見つめていた。

いつもより長い時間、私の目を見ていた。
何分くらいだろう。

4・5分くらいは経っていたと思う。
西原の黒目は、私の顔を写り出していた。

わかってる、私が好きだってこと。
だけど、好きっていう気持ちはただ好意を寄せているだけだからなのか。

本心なのか。
私は西原に見つめられながら、考えていた。

「なら、俺は好きなままでいいんだな」

私は考えていると、西原は私に声をかけた。

西原はこの前と同様、変わらず私を好きだと言う。好きという理由は聞いたけど、分からない。人を好きになったことがないから。

なんで、私なの。私じゃない、理由なんてあるるの。

「いや、だから前にも言ったけど。好きにならないから」

私は西原の言葉に引き下がる。
こんな私がなんでという疑問しかない。

「……俺が分からせてやるよ」

西原は隙間から抜け出し私の顔に近づいて、私の耳元で囁いた。
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