誘惑じょうずな先輩。
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「はあ〜〜、やっと自覚したか!」
「こ、胡子ひゃん、いひゃいよ……っ、」
「このっ、この〜〜っ」
翌日の、土曜日。
心の方も落ち着き、胡子ちゃんの家におじゃまして、昨日にあったことを彼女にぜんぶ話すと、
とちゅう涙ぐみながらも最後まで聞いてくれて、こうやって甘やかしてくれた。
胡子ちゃんは、わたしが万里先輩のことを好きだってとっくのとうに気づいていたらしい。
本人より早い……、と驚いたり。
心配かけていたのは本当だから、頬をむにーっとつねられてもなんだか幸せな気分でいっぱいになった。
「ほんっとにゆんは鈍感なんだから……、
心配するでしょ!」
「ご、ごめんね……、」
「んーん!
バンリ先輩も改心したみたいだし……、ちょっとは安心できたから、いいよ」
「胡子ちゃん……っ」