誘惑じょうずな先輩。
わたしって、そんなにどんくさくて目にかかる人間なんだろうか。
よくわかんないけど、あまり褒められてないんだろうな、ってことはわかる。
話すのも苦手だし、気持ちを伝えるのも苦手。
……中学生のころ、コミュ障だって言われてクラスメイトにからかわれたことだってあるし。
そのときは、ちがうクラスだったのに胡子ちゃんが『ゆんを傷つけたら許さない!』って言って、守ってくれたんだ。
わたしって、いつもだれかに守られてる。
自分も、だれかを守りたい。
だれかの支えになれたらいいな、なんて。
自分のこともきちんとできないわたしが、まだまだ言えないって、自覚済み。
けれど、なんでもポジティブな胡子ちゃんを見習って前を向くことを意識しているんだ。