誘惑じょうずな先輩。
「でも、任せてね。
先輩がもし、ゆんを捨ててまた女遊びしたらわたしが足踏みつけてあげるからね」
「うん……、胡子ちゃん過激だね、」
「いや、いっそ顔面でもいっか!ゆんを捨てるという重罪なんだから!」
「こ、胡子ちゃん……」
「…………冗談だからね!
引かないでよ、ゆん、」
そんな胡子ちゃんが愛おしくて、思わず抱きついた。
胡子ちゃんは「うわっ!」と驚いていたけれど、しっかり受けとめてくれて、頭を撫でてくれた。
「わたしはゆんが、恋をしていきいきしている姿を見れて、嬉しいよ……、」
なんだかおばあちゃんみたいなことを言い出す胡子ちゃんだけど、そこには愛が溢れていて、じんわりと心が温まる。
「胡子ちゃんは、恋、しないの?」