誘惑じょうずな先輩。
そこで、いい考えが頭に浮かんだ。
「あっ……、それじゃ、夏川くんにどんな人か聞いてみようか?」
神田くんと夏川くんは仲がいい(?)みたいだったし。
夏川くんとはさいきんよく話すし、聞いてみる価値はあるかもしれない。
そう思っておそるおそる提案すると、
胡子ちゃんは途端にキラキラと瞳を光らせて高速首振りをお見舞いした。
「よろしく!頼んでいい?!」
「もちろん!」
親友のためなら、なんだってするよ。
こくりと頷くと、胡子ちゃんは本当に嬉しそうに頬を染めた。
「この気持ちは抑えれないんだよなぁ……」
しかたなさそうに、でも、どこか楽しそうに言う胡子ちゃんに同感する。
本当にそのとおりだと思うから。
ひとを好きになる気持ちなんて、やめようと思ってやめれるものじゃない。
スパッとやめられたら、なんにも苦労しないもの。