誘惑じょうずな先輩。
わからない先輩
.
「えー、それじゃ、学園祭の出し物を決めます」
とある日のLHR。
学園祭実行委員のマリちゃんが教卓に立ち、そう口にした。
……ついに、そんな時期かぁ。
いまは9月。
先輩が卒業するまで、あと半年。
そんなことを考えて、気づく。
……先輩、もう半年でいなくなっちゃうの。
…………寂しい。
「んーと、とりあえず候補、ない?」
マリちゃんのゆるい尋ね方に、はいはーいとたくさんの手が挙がる。
そのなかのひとりの男の子が当てられ、嬉しそうに答える。
「メイド喫茶とか、よくね?!」
その言葉に、男の子は湧いて盛りあがってるけれど……、女の子たちは「何言ってんのー」と不満そう。
「それじゃ、男子はなにするの」
もっともな意見を投げたのは、さすがの委員、マリちゃん。