誘惑じょうずな先輩。

ツン、とそっぽを向くと、万里先輩、ちょっと目を見開いた。



「えー、……そっかそっか」



「……、」



え、なにその微妙な反応？！


聞いといて反応薄すぎない？！



いや、別になにかを言って欲しかったわけでも、特別ないんだけど……。


もう、自分の気持ちすら見失ってきてる。

これが万里先輩のテクニックか。



「ゆんちゃん、慣れてそーだから。
……男いないなら、ますます気に入った」



「な、慣れ……っ？！」



男の人に？


わたしが？



いやいや、まさか。




話しかけるだけで緊張するのに、慣れるなんて、とんでもない。




……というか、万里先輩にそんなふうに見られてたなんて。

なんともいえない気持ちになる。