誘惑じょうずな先輩。
「……はい」
お友だちさんに言われたら、よけいに先輩に会いたくなった。
会おうと思ったら会える距離。
だけど、なにかが遠いわたしたちの距離。
いつか、もっと近づけたらいいな。
「じゃあね」
去っていったお友だちさんを見つめて……、
教室に戻ろうと決めた。
いまは、先輩のこと、忘れよう。
そして、明日。
先輩に、好きって想い、伝えよう。
待ってて、って言われたけど。
わたし、じゅうぶん待ったもん。
だから、覚悟しててよ、先輩。