誘惑じょうずな先輩。
……なに言ってるんだろう。
恥ずかしくて、顔から火が出そう。
確かめたかったこと。
先輩は、わたしを彼女という特別なものにしてくれるのかって。
……気になる、んだもん。
だってわたし、つきあってって、言われてないし。
……明確な、名前が、彼女って名前がほしい。
それって……、わがままかな。
俯いて、なにも言えないでいるわたしに、先輩は頰に手を当てた。
「ゆんちゃん」
「……、」
「ごめん、」
「……っ、」
「ゆんちゃんに、そんなこと言わせてごめん」
「……へ、」
それから、わたしの頭を優しく撫でる。
ちらりと見た先輩は、とっても優しい表情をしていた。
「ゆんちゃん、俺と付き合って」
「……っ、」
「不安になんかさせないから。
俺を、ゆんちゃんの彼氏にして」
「……そ、んなの、」
ズルい、ズルすぎるよ。
嬉しすぎて、涙出そう。
「……うん、なに」
「わたしだって、……わたしも、先輩の彼女、してください……っ」