誘惑じょうずな先輩。
うん、……喜んで。
ふわって、ふにゃって笑った万里先輩。
幸せで、大好きで、想いが溢れ出て。
気づいたら……、わたしから先輩の唇に、自分のそれを重ねていた。
至近距離の、先輩。
びっくりしたように、目を見開いている。
わたしだって……、自分でびっくりしてる。
……だ、大胆すぎた、かな。
唇を離しても、なんにも言わない先輩に不安になる。
まさか……、もう、嫌われちゃった、とか……?
焦って弁解しようと、「あの、違くて……」と言おうとした、けど。
「ゆんちゃん、ひとつ言わせて」
「え……っ、なんでしょう、か」
なにを言われるのかわからない。
だけど、先輩の目は真剣だ。