誘惑じょうずな先輩。


「よいしょ、っと」




なんの前触れもなく、


_____ なんと窓から現れたのは噂の先輩。



女遊びが激しく、堕として捨てる

バンリ先輩。



「あれ、人いた?」



驚いて固まっているわたしに、そう声をかけてくる。


無人だと推測して飛び込んだのか、先輩だって予想外の事態らしい。


わたしだって……。

なにが起きたか理解できない。



日光が先輩のピアスにはね返って。


細められた瞳に、捕らわれた。





「あ、の……」



女たらし。

目を合わせただけで魅了されてしまう、そんな危険な先輩。



そんな人に、呑まれたくない。




「_____ ねえ」



けれど、神さまはわたしの願いを叶えてくれないらしい。








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