誘惑じょうずな先輩。

意味わかんないって、確かにそう。


でも、これが先輩の本当の欲しさの言葉なら、嬉しいって感じてしまうんだ。



……うん、重症。




「ゆんちゃん、また来てもいーい？」


「なん、で……、そんなこと聞くんですか」



「んー、きみが嫌なんだったら、俺も自制できるから」


「……ほんっとに意味不明です」



「うん、わかんなくていーよ」



「……、」




来てもいいか、なんて。


今日、いま、それを聞くのはズルすぎる。



絶対それ、確信犯でしょ。




言えるものなら、来ないでって言うよ。


でも、わたしの口は、なんでか正直だ。




「…………仕方なし、です」




わざと、かわいくない言い方してあげるんだから。


それで先輩なんか、さっさとわたしに飽きて来なくなったらいいんだ。