誘惑じょうずな先輩。


「しょーがないね」



ギシ、とベッドが軋む音がして、先輩の気配が近づいてきたことを察知する。



来ないで、来ないで。


わたし、いま、きっとみっともない顔してる。




「俺、ゆんちゃんの恥ずかしがってる顔みて、いま、あーやべぇって思ってるんだけど」



「、そ、そーですか……っ」



「動揺しすぎだって、ゆんちゃん」



「だ、だって、先輩がヘンなこと言うから……っ」



「俺も、こんな気持ちなったのはじめてだから、
本人に伝えてみたってこと」



「……っ、」




ずるいズルい狡い。



わたし、先輩の100倍ドキドキきゅんきゅんしている自覚あるよ。


心臓なんて、暴れすぎて、どこかに置いてきたかもしれない。そんな感覚。







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