誘惑じょうずな先輩。
「ゆんちゃんになら、たくさん貢いであげる」
「言い方、わるいですから、やめてください」
「えー?
これからは、ゆんちゃんを釣るにはミント使おーかなーって悪いこと考えてる男に捕まっちゃったね、きみ」
「……そんなに食べたらお腹壊します、」
「そんときは、俺が看病してあげる」
うそ、なに言ってるの先輩。
先輩には、待ってる女の人がたくさんいるでしょ。
ほんとは、ほかの子と遊びたいんじゃないの。
わたしに構うのは、やっぱり……遊び?
こうやって、毎日のように保健室に来る先輩、ほんとよくわかんない。
なに考えてるのか、なんてだれもわからない。
万里先輩にしか、わからない。
わたしがこうやって心乱されてる間にも、先輩はきっと今日の晩ご飯なんだろう、とか、そういう抜けたことしか考えてない。