誘惑じょうずな先輩。
「先生も切ないね……」
3人してしんみりした保健室。
愛先生が、いまのわたしをどんな気持ちで見守ってくれているのか、ちょっとわかった気がした。
「胡子も、いい人が見つかるといいね」
「見つかるかなぁ」
「見るかるよ、きっと」
愛先生はふふっと笑って
チラ、と見せたのは、左手薬指。
キラッと輝くそれに、胡子ちゃんが「あーっ!」と叫ぶ。
「先生……、結婚してるの?!」
キーンと高い声で叫んだ胡子ちゃんとおなじくらい……、わたしもびっくりした。
え……、聞いてないんだけど!!
そんなわたしたちににやにやと口角をあげ、愛先生は言う。
「そうよ〜?
なんだかんだ言いながら、その“ 彼 ”と結婚して2年目よ」
……うそ。