誘惑じょうずな先輩。


のんびりした話し方に、パッと顔をあげる。

案の定、そこにいたのは万里先輩。



「あ、万里くん〜!
また来ちゃって……、なあに、ゆん目当て〜?」



冷やかす愛先生に「やめてください!」という目で訴えるけれど、そこに胡子ちゃんも便乗しちゃって、収集がつかない。



「もう〜、万里先輩ってゆんのことめっちゃ気に入ってますよね!」



やめてぇぇぇ……っ!


女子トークのノリでそんなことを言ってるわけだから、なんにも知らない万里先輩にとっちゃ目を白黒させる事態。


……ふつうの男の人ならば。



だがさすが、プレイボーイ。



女の子の扱いなどお手の物らしく。



「んー……?
ゆんちゃん、さらっちゃいけないの?」




それとも、天然かなんなのか。


きょとん、としてそう聞く先輩に、愛先生と胡子ちゃんは色めき立つ。



< 95 / 303 >

この作品をシェア

pagetop