誘惑じょうずな先輩。
のんびりした話し方に、パッと顔をあげる。
案の定、そこにいたのは万里先輩。
「あ、万里くん〜!
また来ちゃって……、なあに、ゆん目当て〜?」
冷やかす愛先生に「やめてください!」という目で訴えるけれど、そこに胡子ちゃんも便乗しちゃって、収集がつかない。
「もう〜、万里先輩ってゆんのことめっちゃ気に入ってますよね!」
やめてぇぇぇ……っ!
女子トークのノリでそんなことを言ってるわけだから、なんにも知らない万里先輩にとっちゃ目を白黒させる事態。
……ふつうの男の人ならば。
だがさすが、プレイボーイ。
女の子の扱いなどお手の物らしく。
「んー……?
ゆんちゃん、さらっちゃいけないの?」
それとも、天然かなんなのか。
きょとん、としてそう聞く先輩に、愛先生と胡子ちゃんは色めき立つ。