幼馴染からの抜け出し方

5.

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　百貨店で働きたいと思ったきっかけは由貴ちゃんのひと声からだった。

　就職を考え始めた大学二年の頃。

　なんとなく私は、事務の仕事は向いていないと思ったし、営業も難しそうだと思った。そうなると私にできることはなんだろうと考えたとき『めぐは人と話をすのが好きなんでしょ？』と由貴ちゃんからアドバイスをもらった。

　それを生かせる仕事はなんだろう？　そう考えたとき、人と接する機会の多い接客業がしたいと思うようになった。

　ちょうどその頃、今勤務している百貨店の催事場で開かれていたイベントの臨時アルバイトをしていたこともあり、このまま百貨店で働くのも楽しそうだと思った。そして、新入社員の採用試験を受けたら採用された。

　基本的に仕事は楽しいけれど、つらいと思うこともやっぱりある。

　たとえば土日や祝日に休みが取りづらいこと、お正月も元旦しか休みがないこと。

　仕方がないしもう馴れたけれど、どうしても土日に休みを貰いたいときもたまにはある。そういうときは同じ売場の同僚にお願いをしてシフトを交換してもらう。

　そういうわけで、本日は三連休の中日である日曜日で、百貨店はわりと客足の多い日なのだけれど、私は事前にお願いをしてこの日だけは休みをもらっていた。

　その理由は……