またいつか君と、笑顔で会える日まで。
「ごめん、すず……」

「何笑ってんの!?リリカ、アンタよくすずを傷付けてそんな平気な顔してられるよね!?」

あたしは今、いびつに引きつった笑みを浮かべているんだろう。

他のみんなも困惑したようにあたしを見つめている。

つぎはぎだらけのあたしは、欠陥品なんだ。

笑いたくないのに笑う癖がついてしまっていた。

困ったときも、悲しい時も、辛い時も、どんなときだってあたしには笑う以外の選択肢なんてなかったんだ。

あたしはくるりと背中を向けて駆け出した。

「待ちなさいよ!」とか「逃げんな!!」って声がナイフみたいに体に突き刺さる。

「――リリカちゃん!!」

そのとき、横からパッと現れた手のひらがあたしの腕を掴んだ。

その手は萌奈だった。

「リリカちゃん、ごめん、私のせいで――」

「違うから。離して――」

今までのやりとりのすべてを見ていたんだろう。萌奈は今にも泣きだしそうだ。

違う。そんな顔をさせたなかったわけじゃない。違うのに……――。

ごめん、萌奈。

「離してよ」
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