またいつか君と、笑顔で会える日まで。
私はバッグを肩にかけて昇降口を目指して歩き出した。

空は真っ黒い雲に覆われていた。今にも雨が降り出しそうな空だった。

そんなことお構いなしに私はメモに書かれた住所目指して歩を進める。

自分自身、今の自分の行動が信じられない。

どこからこんな原動力がわいてくるのか分からないけれど、自分自身を止められない。

きっとこれはリリカちゃんの影響だろう。私は確実にリリカちゃんという人間に影響を受けている。

リリカちゃんの家のアパートはすぐに見つかった。

3階建てのアパートは少しだけレトロな印象を受けた。

アパートの入り口まできた。

202号室と書かれた集合ポストからはダイレクトメールやチラシがはみ出て床にまで散乱している。

ドクっと心臓が鳴った。

メモに書かれているのは202号室の文字。

不安を覚えながら階段を一歩一歩慎重に昇っていく。

階段の途中にはいくつものタバコの吸い殻が散乱していた。

それらから目を反らし階段を昇り切りリリカちゃんの家の扉の前に立つ。

玄関の外には灯油の赤いポリタンクとゴミ袋に入った酒の空き缶や空き瓶が大量に置かれていた。

チャイムを押す。でも、家の中から反応はない。
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