またいつか君と、笑顔で会える日まで。
限界だった。働いても働いても母はあたしのお金を湯水のごとく使う。
空は灰色で覆われていた。今にも雨が降り出してきそうな空模様にため息をつく。
なにもかもがうまくいかない。すべてがあたしの邪魔をする。
向かった先は銀行のATMだった。15日までに水道代を振り込まなくてはいけない。
通帳に残っている1万円を引きだし、支払いに充てるつもりだった。
キャッシュカードと通帳を入れ、暗証番号を押して引き出し金額を押した時違和感を覚えた。
画面には【残高不足のためお引き出しすることができません】の表示。
「なんで……?」
下ろした覚えはないし、不足しているなんてありえないのに。
通帳を記帳してみてあたしは全てを悟った。
残高はたったの253円だった。
1万円は数日前、あたしではない誰かによって引き出されていた。
「なんでよ。あたしが頑張って稼いだお金……なんで勝手に下ろしてんのよ」
取り出した通帳を握り締めバッグに無造作に放り込む。
ATMを蹴っ飛ばしたいのを我慢して自動ドアへ歩み寄る。
扉が開く。
思わず笑ってしまった。予想通り雨が降り出した。
空は灰色で覆われていた。今にも雨が降り出してきそうな空模様にため息をつく。
なにもかもがうまくいかない。すべてがあたしの邪魔をする。
向かった先は銀行のATMだった。15日までに水道代を振り込まなくてはいけない。
通帳に残っている1万円を引きだし、支払いに充てるつもりだった。
キャッシュカードと通帳を入れ、暗証番号を押して引き出し金額を押した時違和感を覚えた。
画面には【残高不足のためお引き出しすることができません】の表示。
「なんで……?」
下ろした覚えはないし、不足しているなんてありえないのに。
通帳を記帳してみてあたしは全てを悟った。
残高はたったの253円だった。
1万円は数日前、あたしではない誰かによって引き出されていた。
「なんでよ。あたしが頑張って稼いだお金……なんで勝手に下ろしてんのよ」
取り出した通帳を握り締めバッグに無造作に放り込む。
ATMを蹴っ飛ばしたいのを我慢して自動ドアへ歩み寄る。
扉が開く。
思わず笑ってしまった。予想通り雨が降り出した。