またいつか君と、笑顔で会える日まで。
我慢もした。この環境から抜け出すためにはどんなに苦しいことが起きたって泣きごとなんて言わなかった。

言ってる暇があるんだったら、ちょっとでも自分が生きやすい道を作っておきたいと思ったから。

あたしの人生はあたしだけのものだ。他の誰のものでない。

そう信じて生きてきたけど、結果はどうだ。あたしにいったい何ができた?

もう17歳だし、なんだって自分でできると思ってたけどあたしは無力で。

家から追い出されてしまえば行く場所なんてどこにもない。

公園の土管の中で身を縮こまらせて野宿をしたことだってある。蒸し暑いし、あちこち蚊に刺されてほとんど眠れないまま学校へ行くことになった。

がむしゃらに生きれば、必死に頑張れば報われるかもしれないと漠然と思っていた。

いつかは抜け出せる。きっとこの暮らしから。

多くは望まない。ただ、心穏やかに暮らせればそれでよかった。

それでよかったんだ……。

「あぁぁーーーーーー!!」

大粒の雨の中傘も差さずに大声で叫びながら走るあたしはさぞや異質だろう。

周りの通行人はギョッとした顔であたしを見る。

それでもあたしは叫んだ。叫び続けた。

心がはち切れてしまいそうだった。

バイトだってやめなければいけないし、学費だってもう払うあてはない。
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