またいつか君と、笑顔で会える日まで。
一橋リリカside
夜空には満天の星が輝いていた。
萌奈の部屋のベッドに腰かけ、スマホの電源を入れる。
起動したスマホ画面には複数のラインが届いていた。
【母:たっくん具合が悪いんだって。風邪薬買ってきて】
【母:リリカ早く】
【母:なんで?無視?】
母からは誕生日おめでとうの言葉すらなかった。
グッとスマホを握り締めたと同時に再びメッセージが届いた。
【母:たっくん怒ってるからね】
だから、どうした。どうしてあたしがあの男に怒られる必要があるの?
風邪薬が欲しいなら自分で買いに行けばいい。
こんなラインを送る余裕があるなら母がまだ空いている店に走って買いに行けばいい。
ふざけんな。ふざけんな。ふざけんな。
怒りに任せてスマホの電源を切ったとき、「リリカちゃん……?」とベッドの下の布団で眠る萌奈が声をかけてきた。