またいつか君と、笑顔で会える日まで。
「早く行きなって~!マジで遅刻する!!」

「リリカちゃんこそ」

「はいはい」

なぜだろう。幸せな時間を過ごしすぎたせいだろうか。

こんなにも名残惜しい気持ちになるのは。

「またあとでね!!」

「はいよ~!気を付けてね~!」

「リリカちゃんもね!!」

「またね~!」

彼氏と彼女のような別れのやりとりを繰り返した後、ようやく萌奈はあたしに背中を向けて歩き出した。

「萌奈、ありがとう」

その背中に向かってお礼を言う。

こんなにも清々しい朝は久しぶりだった。

『またあとで』

未来の約束があたしにとってとても大きな意味を持っていた。

古びたアパートの階段を一歩ずつ踏みしめるように昇っていく。

玄関の前までやってきたとき、隣の部屋の扉が開いた。
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